かぐらかのん

心理学関連書籍、ビジネス書、文芸書の書評などを書いていきます。

哲学

悦びと生成変化のあいだ--「ドゥルーズ 流動の哲学(宇野邦一)」

ドゥルーズ 流動の哲学 [増補改訂] (講談社学術文庫) 作者:宇野邦一 発売日: 2020/02/10 メディア: Kindle版 * バランスの良いドゥルーズ哲学入門書 1960年代、フランス現代思想のトレンドは「実存主義」から「構造主義」へと変遷しました。レヴィ=スト…

「憐れみ」によって手を取り合うということ--「テーマパーク化する地球(東浩紀)」

テーマパーク化する地球 ゲンロン叢書 作者:東 浩紀 発売日: 2019/06/14 メディア: Kindle版 *「観光客の哲学」の舞台裏あるいは実践録 1990年代後半以降、日本社会においては「大きな物語」の失墜と呼ばれるポストモダン状況がより加速したと言われていま…

環境の外側に立つということ--「人はみな妄想する-ジャック・ラカンと鑑別診断の思想-(松本卓也)」

人はみな妄想する -ジャック・ラカンと鑑別診断の思想- 作者:松本卓也 発売日: 2015/04/24 メディア: 単行本 * 実存主義から構造主義へ 1960年代、フランス現代思想のトレンドは「実存主義」から「構造主義」へと変遷しました。ジャン=ポール・サルトルに…

二層構造の時代における新たな公共性--「哲学の誤配(東浩紀)」

哲学の誤配 ゲンロン叢書 作者:東 浩紀 メディア: Kindle版 * 二層構造の時代における哲学 1994年、かつての「ニューアカデミズム」を牽引した浅田彰氏と柄谷行人氏が編集委員を務める「批評空間」第Ⅱ期第3号に「幽霊に憑かれる哲学--デリダ試論」と題さ…

対話による「新しい現実」の創出--「オープンダイアローグがひらく精神医療(斎藤環)」

オープンダイアローグがひらく精神医療 作者:斎藤 環 発売日: 2019/08/23 メディア: Kindle版 * オープンダイアローグとは何か フィンランドの西ラップランド地方トルニオ市にあるケロプダス病院のスタッフを中心に開発された「オープンダイアローグ(OD)…

イロニーからユーモアへの折り返し--「動きすぎてはいけない(千葉雅也)」

動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学 (河出文庫) 作者:千葉雅也 発売日: 2017/09/15 メディア: Kindle版 * 生成変化の哲学 1960年代、フランス現代思想のトレンドは「実存主義」から「構造主義」へと変遷しました。実存主義とはジャン=…

「思考する快楽」としての勉強--「勉強の哲学(千葉雅也)」

勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫) 作者:千葉 雅也 発売日: 2020/03/10 メディア: Kindle版 * 「勉強」と「生活」は表裏の関係 我々は社会生活を送る上で多かれ少なかれ「勉強」をしています。入学試験や資格試験など、わかりやすい「勉…

「空気」の外側に立つということ--「原子力時代における哲学(國分功一郎)」

原子力時代における哲学 作者:國分功一郎 発売日: 2019/10/04 メディア: Kindle版 * 「Atoms for Peace」 1950年代とはいうまでもなく「核兵器の恐怖」が世界を支配した時代でした。1949年にはアメリカに続き旧ソ連も原爆を保有したことが公にされ、これに…

幸福の彼方と此方--「創造と狂気の歴史(松本卓也)」

創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで (講談社選書メチエ) 作者:松本卓也 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/03/12 メディア: Kindle版 * 「創造と狂気」の関係を問う 優れた芸術作品やイノベーションがしばし「クレイジー」と形容されるように…