かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

歴史

他者性の泡立ちとしての読書--三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

*『花束みたいな恋をした』から考える「労働」と「読書」をめぐるアポリア 2021年に公開された映画『花束みたいな恋をした』は若年層を中心にSNS上で幅広い共感を呼び「はな恋現象」と呼ばれる社会現象を巻き起こし、映画としても多方面から近年稀にみる高…

規律権力と生政治

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> *「人間学的思考」の起源を問い直す 1960年代、フランスにおける思想界のトレンドは「実存主義」から「構造主義」へと変遷します。ジャン=ポール・サルトルに代表される実存主義は人が独自の「実…

「よその家の事情」に向き合うということ--夕凪の街 桜の国(こうの史代)

" data-en-clipboard="true"> " id="昭和20年8月6日午前8時15分">* 昭和20年8月6日午前8時15分 その時、アメリカ合衆国の戦略爆撃機B29エノラ・ゲイ号から投下された原子爆弾リトル・ボーイは広島市の高度567メートルの上空で炸裂し、晴れ渡った夏の空に巨…

【書評】日本のいちばん長い日(半藤一利)

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日 作者:半藤 一利 文藝春秋 Amazon * 半藤史学の原点 昭和38年6月20日、東京は築地の料亭でとある座談会が開かれました。元内閣書記官長の迫水久常、元陸軍大将の今村均、元陸軍大佐の荒尾興功、元秘書官の…

他人の物語と自分の物語--燃えよ剣(司馬遼太郎)

" data-en-clipboard="true"> 燃えよ剣(上) 作者:司馬遼太郎 文藝春秋 Amazon 燃えよ剣(下) 作者:司馬遼太郎 文藝春秋 Amazon " data-en-clipboard="true">* 幕末という時代と新撰組 嘉永6年(1853年)6月、アメリカ合衆国東インド艦隊提督マシュー・C…