かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日常における意味の彼岸--映画『リンダリンダリンダ』

* 映画の持つ「直接的な力」 映画批評家の三浦哲哉氏はその著作『映画とは何か』(2014)において「映像が動く。ただそれだけのことにただならぬ感動を覚えるまなざしがあるとすれば、それは具体的にどのようなものか」という問いを立て、映画の持つ「直接…

暮しと憲法感覚--山本昭宏『戦後民主主義 現代日本を創った思想と文化』

*「戦後民主主義」とは何だったのか 戦後日本における「大きな物語」のひとつとして「戦後民主主義」というものがあげられます。「戦後民主主義」という言葉は論者や文脈によって様々な意味を帯びる言葉ですが、その最大公約数的な意味を取り出せば差し当た…

大本営発表と「つぎつぎになりゆくいきほひ」--辻田真佐憲『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』

* 大本営発表とは一体何だったのか 先の戦争における「大本営発表」といえば終戦から80年が経った今日においても「あてにならない当局の発表」のメタファーとして盛んに用いられています。2011年3月に発生した福島第一原発事故に関して経済産業省、原子力安…