かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

「つながり」と「つながりの外部」--ゆるキャン△(あfろ)

" data-en-clipboard="true"> ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス) 作者:あfろ 芳文社 Amazon ゆるキャン△ 12巻 (まんがタイムKRコミックス) 作者:あfろ 芳文社 Amazon " data-en-clipboard="true">* 強い絆と弱い絆 東浩紀氏は「弱いつながり…

「推し」という名のリトルネロ--推し、燃ゆ(宇佐見りん)

" data-en-clipboard="true"> 推し、燃ゆ 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon " data-en-clipboard="true">* 間主観的な欲望と別の仕方での欲望 フランスの精神分析家ジャック・ラカンは「人の欲望は他者の欲望である」という有名なテーゼを提出していま…

現代文学のリアリズムと思春期における異界体験--化物語(西尾維新)

化物語(上) 作者:西尾維新 講談社 Amazon 化物語(中) 作者:西尾維新 講談社 Amazon 化物語(下) 作者:西尾維新 講談社 Amazon * 自然主義的リアリズムとまんが・アニメ的リアリズム 日本は明治期に「言文一致体」を導入し近代文学の歴史を開きました。…

器としての言葉--きみの言い訳は最高の芸術(最果タヒ)

きみの言い訳は最高の芸術 (河出文庫) 作者:最果タヒ 河出書房新社 Amazon * 言葉には幽霊が取り憑いてる フランス現代思想史において「ポスト・構造主義」の代表的論客と目される哲学者、ジャック・デリダは「エクリチュール」には「幽霊」が取り憑いてい…

【書評】52ヘルツのクジラたち(町田そのこ)

52ヘルツのクジラたち 作者:町田そのこ 中央公論新社 Amazon * 世界でもっとも孤独なクジラ ある種のクジラは「歌」によって個体同士のコミュニケーションを取る事で知られています。海洋生物学者のロジャー・ペインが1970年に発表した「ザトウクジラの歌」…

【書評】猫だましい(河合隼雄)

猫だましい(新潮文庫) 作者:河合 隼雄 新潮社 Amazon * 人にとって猫とは何者なのか 猫が家畜化された起源は紀元前2000年頃にまで遡るといわれています。古代エジプトにおいて猫は神聖な存在とみなされ、文字通りの「猫神」として崇められていました。し…