かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

2017-01-01から1年間の記事一覧

「アドラー流一瞬で心をひらく聴き方(岩井俊憲)」を読む。傾聴×勇気付けという組み合わせ。

アドラー理論と傾聴技法を架橋しようという試みが感じられる1冊。 前半4分の1位がアドラー理論の簡単な紹介であとは傾聴技法の解説。 要点の箇条書きスタイルなので、あっという間に読めます。 一般的な傾聴技法の他に、アドラー心理学独自の「勇気づけ」…

大根おろしの栄養学

大根おろしは小さい頃の「にがい!」っていう記憶を引き摺っていて、それからずっと食わず嫌いだったんですけど、ポン酢と合わせてみたらすごい美味しいことに、今更気づきました。 焼き魚や豚しゃぶとすごく合うし、箸休めにもちょうどいいですし。大根いっ…

「幸せになる勇気(岸見一郎・古賀史健)」を読む。運命の人などいないのか、という問題。

「結論から申し上げますと、アドラーの思想はペテンです。とんだペテンです。いや、それどころか、害悪をもたらす危険思想と言わざるをえません。(本文より)」 現実に打ちひしがれ3年ぶりに「哲人」の書斎を訪れる「青年」。物騒な雰囲気の中で幕が上がる…

カゴメの「ちいさなももこ」×「トマトの土」でミニトマト栽培

トマトにはビタミンEの100倍といわれる抗酸化力を持つリコピンが豊富に含まれていて、アンチエイジング的には毎日のようにコンスタントに食べたいものです。なので、今年は自分で育てることにしました。 苗を買いに行ったらスーパーでよく見かけるカゴメのミ…

ピーマンを越冬させてみた!

kagurakanon.hateblo.jp 一年草と見せかけて本当は多年草なピーマン。最低生存温度の10度を下回らなければ越冬できるそうなので、12〜4月の間は室内に入れて様子を見ていたところ、期待に応えてきっちり冬を越えてくれました! しかも、4月に入ってから新芽…

「嫌われる勇気(岸見一郎・古賀史健)」を読む。「課題の分離」から「共同体感覚」へ。

フロイト・ユングと並び称され、欧米で絶大な支持をもつと言われるアドラーの個人心理学をソクラテスメソッドでわかりやすく説くというコンセプトで書かれてベストセラーとなった『嫌われる勇気』。 「哲人」が語る「トラウマを否定する」「承認欲求も否定す…

乳酸菌が生きたまま腸に届くという意味

以前の記事で書いた通り、腸内フローラ(腸内細菌叢)っていうのは腸内における善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスのことで、理想的なのはだいたい善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割っていう住み分けになります。 腸内フローラの改善は単に「お腹の調子を…

我々はいつも理解しようとするから誤解する--精神分析技法の基礎(ブルース・フィンク)

本書はラカン派精神分析の臨床技法を扱ったものです。そういうと、なんかものすごく専門的な狭い領域のように思えますけど、「臨床」っていうのはつまるところ、人と人の関係する場を言うのであって、精神分析やカウンセリングの場にとどまらず、日常的なコ…

「人生がときめく片付けの魔法(近藤麻理恵)」を読む。ミニマリズムならぬコンマリズム。

親しみやすい言葉で紡がれる片付けが楽しくなる本。各論的(例えば取扱説明書や給与明細など)にはともかくとして、一般論としては正しい核心を持っている。 例えば、モノを一度全部ばーっと出して、「寝た状態」から「起こした状態」にするというのはかなり…

脳科学時代のアンチテーゼとしての精神分析理論--考える足ー『脳の時代』の精神分析(向井雅明)

メンタルヘルスの諸問題につき、何かにつけ「脳科学的には・・・」といえば、なんとなく納得してしまう昨今の風潮ではあります。 本書の言うところの「脳中心主義」とはすべてのこころの問題は脳の構造によって決定されているかの如き説明です。例えば、統合…

深夜アニメのキャラはなぜ目が大きく鼻が小さいのか--人形愛の精神分析(藤田博史)

人形を題材とした身体フェティシズム論というなかなか読み手を選ぶ一冊。表紙からしてフェティシズム感全開で実に素晴らしい。著者は精神分析家兼整形外科医。目、口、鼻、耳といった身体各部のパーツに対してラカン派精神分析の観点からの考察が変幻自在に…

人見ルミ「心を整えるマインドフルネスCDブック」

集中力の向上、不安やイライラの解消、不眠対策など汎用的に使えるということで。前から興味あったマインドフルネスの本を読んでみました。この本は薄くて文章も平易であっさり読めて、しかもCDもついて値段1296円とお手ごろ。本書に書いてあることが全てで…

親子丼の見た目を綺麗にするコツ

親子丼の見た目を綺麗にするコツは、基本的にはあんまりかき混ぜすぎないこと、そして卵を2回に分けて流し入れることだと思うんですよ。2段階で卵を流し込むことで「ふわふわ」と「とろとろ」の二層を作るわけです。そういうわけで、自家製レシピを書き出し…

無限こまツナで小松菜大量消費\(^o^)/

ウサギみたいな愛嬌のある葉っぱ。ほどよい苦味。ほうれん草と同じく鉄分豊富。それにカルシウム含有量は野菜の中ではケールに次いで豊富な小松菜。いまが旬ですね。 そういうわけで無限ピーマンのバリエとして無限こまツナを作って見ました。 ごはんにもお…

いま注目の腸内フローラを世界的権威がやさしく解説--腸を鍛える-腸内細菌と腸内フローラ(光岡知足)

本書の著者、光岡知足先生はあの「善玉菌・悪玉菌」の名付け親として知られる腸内フローラの世界的権威です。腸内フローラ(腸内細菌叢)っていう言葉はきっとどこかで聞いたことがあるでしょう。腸内における善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスのことを言…

ラカンをもってラカンを読む--ラカン入門(向井雅明)

「入門」とは銘打っているものの、初心者には難しいです。なんかラカンってサブカル評論でよく出てくる名前だし、さくっと全体像だけ掴みたいな的なニーズには向かない本かもしれません。 もちろんそれだけ濃密な内容ということなので、一通りの全体像を見渡…

かがみのように共感するということ

人は誰かから「悩み相談」など受けた時、どうしてもつい、何か「アドバイス」をしたくなるものですよね。 しかし、アドバイスは概して役に立たないことが多いと言われます。もちろん、客観的な情報提供で物事が解決する時もあるでしょう。例えば、相談の中身…

アドラー心理学に馴染めない方にお勧めしたいユング心理学の不思議な世界--無意識の構造(河合隼雄)

再読です。このところずっとラカンばっかり読んでたけど、久しぶりに原点回帰というか、河合隼雄先生の本が読みたくなって、久しぶりに本棚から引っ張り出してきました。 河合隼雄先生っていうと、なんか、面白エッセイストとか、あるいは文化庁長官をやって…

位相のズレた3つのセカイ--生き延びるためのラカン(斎藤環)

自称「日本一わかりやすいラカン入門書」。多分その看板にそこまで偽りはないと思いますが、何年も前の本ですし、いまさらこんなところで初学者が書評めいたことを書いてもどうかと思いますので、現時点での私的なラカン理解をノート風にまとめておきたいと…

「こころの天気図(河合隼雄)」を読む。ふんわり受け止めるということの難しさ。

長らく絶版本だったが今年装いを新たに復刻。かの名著「こころの処方箋」のアンサーソング的な立ち位置のエッセイ集ですが、こちらは聞き書きスタイルなので何ともふんわりとした優しい語り口に仕上がっています。 著者は言わずと知れた生粋のユング派分析家…