かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

聴き上手だと言われるための3ステップ

 
 
コミュニケーションが苦手な人ほど、他人と会話している時、なんだか気の利いた事を言わないといけないって思っていることが多いようです。
 
確かに「空気が読めて笑いが取れる人」っていうのは端から見てても羨ましいですよね。けど、本当に深い人間関係を築くために必要なのは「喋る技術」ではなく、むしろ「聴く技術」です。
 
相手は「あなたの話」を聞く以上に「自分の話」がしたいんですよ。 「喋る技術」っていうのは結構、先天的なセンスや環境に左右される部分もあるかもしれませんけど、「聴く技術」はある程度セオリーなので、訓練でどうにでもなるものです。
 
なので、まずは次の3つのステップを実践して「聴き上手」を目指してみませんか?
 

* 反復する

 
まずは相手の話た言葉をさりげなく反復してあげましょう。忘れがちだけど大事な事です。また、相手が普段使っている用語、反応しやすい言葉を意識していれてみるのもいいでしょう。
 
これは心理学ではマッチングと呼ばれる技法です。人は自分と似たもの同士の鏡像に惹かれる生き物なのです。
 
ポイントは、あくまでも「さりげなく」。マッチングの技法は相手の意識ではなく無意識に働きかけるもので、わざとらしい「オウム返し」は逆効果です。
 

* 質問する

 
相手の言葉を反復してあげた後は、今度は「質問」で話題を広げて行きます。これは自分が話し手になった場合を考えてみればわかるでしょう。
 
飲み会などで何人かに向かって身の上話などしていたとします。そのうちの一人は「わかる、私もね・・・」と自分の話を延々とし始めて、別の一人は「そうなんですか?それってどうなったんですか?」と食い付いて来たとする。その時、あなたはどっちの人とお話ししたいですか?
 
質問がぱっと浮かばない時は「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」という5W1Hで考えてみましょう。
 
気をつけたいのはこの時、相手のことを色々詮索しているように感じさせないこと。相手のセンシティブな事情に触れないようにするには、「客観的な事実」について質問するのが無難です(例:「いま彼と喧嘩してて・・・」→「彼氏さん、おいくつなんですか?」)。
 

* 共感する

 
共感というのはともすれば他人に媚びなければいけないのか?という誤解も聞きますが、これはあくまでも「私はあなたの話を真剣に聞いてますよ」っていうメッセージを相手に届けるための技術です。自己愛研究で有名な精神科医、ハインツ・コフートは、共感とは相手の心理ニーズを見極めてそれに合わせた反応を返すことであると言います。
 
コフートによれば、人の心理ニーズは大きく分けて3つあるといいます。
 
・鏡映自己対象欲求・・・「褒められたい」「感謝されたい」「認められたい」というという心理ニーズ。
 
・理想化自己対象欲求・・・不安な時に方向性を示して自分を導いてくれる頼もしい存在を求める心理ニーズ。
 
・双子自己対象欲求・・・・自分と同じような弱さや悩みを抱えている存在を求める心理ニーズ。
 
こうして、あなたが相手の心理ニーズを満たす「自己対象」になった時、その人は思わずよりプライベートな深い話を始めるかもしれません。社会心理学で認知的不協和理論というのがありますが、人は基本的に内面を曝け出した相手を信頼する傾向があります。つまり、相手の言葉の端から滲み出る心理ニーズをきちんと把握することが、深い人間関係を築くための一歩になるということです。
 

* まとめ

 
いかがでしょうか?「反復+質問+共感」の3ステップ。これは親しい人との会話のみならず、職場で事務的な会話、さらには上司の説教の場にも応用可能です。
 
本当に誰かの話に真剣に耳を傾けないといけない時に備えて、普段のどうでもいい雑談も「傾聴の練習」と思って「反復+質問+共感」を意識してみるのもいいかもしれませんね。そうすれば無為な時間が一転、スキルアップの有意義な時間に変わり、さらに「聴き上手」ということで周りの印象も良くなる。まさに一石二鳥というものです。
 
日々、置かれた場所で大きな花を咲かせることが出来ますように。ではでは、またまた!かがみでした\(^o^)/