かぐらかのん

心理学関連書籍、ビジネス書、文芸書の書評などを書いていきます。

感想・レビュー

【感想】「Fate/stay night [Heaven’ s Feel] II. lost butterfly」--幸福と正義の間

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel] II.lost butterfly」(完全生産限定版) [Blu-ray] 出版社/メーカー: アニプレックス 発売日: 2019/08/21 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る * Fate/stay nightの裏街道にして到達点 2004年にTYPE-MOON…

再起動するセカイ〜「イリヤの空、UFOの夏」から考える。

イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫) 作者: 秋山瑞人 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2014/03/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る * 「セカイ系」なるもの 新海誠監督の最新作「天気の子」の公開を機に最近再びそこらかしこで…

【感想】「天気の子」が描き出した想像力

天気の子 アーティスト: RADWIMPS 出版社/メーカー: Universal Music =music= 発売日: 2019/07/19 メディア: CD この商品を含むブログを見る * あなたとともに乗り越える 「天気」という題材は、繊細な美術や光の表現において他の追随を許さない新海作品に…

「ひだまりスケッチ1〜9(蒼樹うめ)」〜関係性のアンサンブルが産み出す可能性

ひだまりスケッチ 8巻 (まんがタイムKRコミックス) 作者: 蒼樹うめ 出版社/メーカー: 芳文社 発売日: 2015/05/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る * 「日常系」のトラディショナル 「日常系」なるジャンルは、もともとゼロ年代以降のサブカ…

「カードキャプターさくら・クリアカード編⑴〜⑹巻(CLAMP)」〜鏡像段階と対幻想、あるいは内閉期における少女の物語

カードキャプターさくら クリアカード編(6) (なかよしコミックス) 作者: CLAMP 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/04/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る CLAMPさんの不朽の名作「カードキャプターさくら」がまさかの連載再開か…

「Kanon」〜「セカイ系」と「奇跡のバーゲンセール」の間にあるもの

Kanon コンパクト・コレクション Blu-ray (初回限定生産) 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2014/10/01 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (2件) を見る * 「泣きゲー」の先駆け 年頭に久しぶりに「Kanon」を観返しました。折角なので感想…

「君の膵臓をたべたい(アニメ版)」〜「終わりある日常」を生きるということ

劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」 Original Soundtrack アーティスト: 劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」 出版社/メーカー: アニプレックス 発売日: 2018/08/29 メディア: CD この商品を含むブログを見る * 「瑞々しいもの」として回帰する「セカイ系的想…

「AIR」における日本的「あわれ」の感性

「AIR」というノベルゲームはご存知でしょうか?ゲームブランドKeyより2000年に発売され、このジャンルとしては異例の売上本数を記録した「泣きゲー」の代名詞です。 今日は本作のヒロイン、神尾観鈴ちゃんの命日なので少しAIRの事を書いておこうと思います…

エディプスコンプレックスの物語として観る「未来のミライ」

mirai-no-mirai.jp 「未来のミライ」公式サイト * 「欲望の主体」としての自立 これまで一人っ子だった「くんちゃん」が妹の「未来ちゃん」の誕生を切っ掛けに、「二者関係の三者化」というエディプスコンプレックスを経て自己を獲得していくというお話だと…

【感想】映画「Fate/stay night [Heaven's Feel] 〜I.presage flower」

本作の原作「Fate/stay night」は2004年にTYPE-MOONより発売されたPCゲームです。当時は18禁アダルトゲームという扱いながら記録的なヒット作品となり、その後も漫画・小説・アニメ・映画・スマホゲームなど多彩なメディアミックス展開によって、現在に至る…

映画「スティーブ・ジョブズ(2015年)」を観る。飽くなき理想と野心の果てにあるもの。

スティーブ・ジョブズ (2015年の映画) - Wikipedia スティーブ・ジョブズ。1976年、21歳でスティーブ・ウォズニアックと共にAppleを創業。1984年、革新的なグラフィカルユーザーインターフェイスを備えたMacintoshを発売。その後、社内政治の力学の結果、198…

【感想】映画「君の膵臓をたべたい」

kimisui.jp 原作が出た時から満開の桜の表紙とグロテスクなタイトルの組みあわせに少し気にはなってましたが、結局読まず終い。今回実写映画化ということなのでとりあえず見てみるかという感じで、まったく予備知識なしで劇場へ。 物語のあらすじはこうです…

エロマンガ先生最終話における「芸術の論理」と「去勢の論理」

honeshabri.hatenablog.com エロマンガ先生の最終話において、沙霧ちゃんの書いたエロマンガの局部描写にはモザイクがかけられており、ムラマサ先輩の書いたミケランジェロのダビデ象は無規制であったという問題です。 結論からいえばこれは社会常識的に妥当…