かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「セカイ」と「つながり」の間で--青くて痛くて脆い(住野よる)

青くて痛くて脆い (角川文庫)作者:住野 よる発売日: 2020/06/12メディア: Kindle版 * あの時、僕らは小さなセカイをつくった ゼロ年代初頭「セカイ系」と呼ばれる作品群が一世を風靡しました。「セカイ系」の定義については様々な議論がありますが、有り体…

悦びと生成変化のあいだ--「ドゥルーズ 流動の哲学(宇野邦一)」

ドゥルーズ 流動の哲学 [増補改訂] (講談社学術文庫) 作者:宇野邦一 発売日: 2020/02/10 メディア: Kindle版 * バランスの良いドゥルーズ哲学入門書 1960年代、フランス現代思想のトレンドは「実存主義」から「構造主義」へと変遷しました。レヴィ=スト…

「憐れみ」によって手を取り合うということ--「テーマパーク化する地球(東浩紀)」

テーマパーク化する地球 ゲンロン叢書 作者:東 浩紀 発売日: 2019/06/14 メディア: Kindle版 *「観光客の哲学」の舞台裏あるいは実践録 1990年代後半以降、日本社会においては「大きな物語」の失墜と呼ばれるポストモダン状況がより加速したと言われていま…