かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

かがみのように共感するということ

人は誰かから「悩み相談」など受けた時、どうしてもつい、何か「アドバイス」をしたくなるものですよね。 しかし、アドバイスは概して役に立たないことが多いと言われます。もちろん、客観的な情報提供で物事が解決する時もあるでしょう。例えば、相談の中身…

アドラー心理学に馴染めない方にお勧めしたいユング心理学の不思議な世界--無意識の構造(河合隼雄)

再読です。このところずっとラカンばっかり読んでたけど、久しぶりに原点回帰というか、河合隼雄先生の本が読みたくなって、久しぶりに本棚から引っ張り出してきました。 河合隼雄先生っていうと、なんか、面白エッセイストとか、あるいは文化庁長官をやって…

位相のズレた3つのセカイ--生き延びるためのラカン(斎藤環)

自称「日本一わかりやすいラカン入門書」。多分その看板にそこまで偽りはないと思いますが、何年も前の本ですし、いまさらこんなところで初学者が書評めいたことを書いてもどうかと思いますので、現時点での私的なラカン理解をノート風にまとめておきたいと…

「こころの天気図(河合隼雄)」を読む。ふんわり受け止めるということの難しさ。

長らく絶版本だったが今年装いを新たに復刻。かの名著「こころの処方箋」のアンサーソング的な立ち位置のエッセイ集ですが、こちらは聞き書きスタイルなので何ともふんわりとした優しい語り口に仕上がっています。 著者は言わずと知れた生粋のユング派分析家…