かぐらかのん

心理学関連書籍、ビジネス書、文芸書の書評などを書いていきます。

「『今、ここ』に意識を集中する練習 心を強く、やわらかくする『マインドフルネス』入門」を読む。何気ない日常を輝きに満ちたものに変える53の習慣。

 
 
 
結構、誤解されている向きもありますが、必ずしも「マインドフルネス=瞑想」というわけではありません。
 
マインドフルネスとは穏やかでありながらも集中している心の状態をいうわけでして、朝起きること、ご飯を食べる、ドアを開ける、電車を待つ、誰かに話しかける・・・等々、日々の至る所にマインドフルネスを実践するチャンスはあります。
 
心の変化を起こすためには些細な行動を変えていくことから始まる。これは禅でいう「所作を整える」という発想です。
 
本書は日常で手軽に実践できる53の練習を紹介しています。いずれも日常の何気無い動作に関するものです。
 
そこから私が特に気に入った習慣を3つ紹介してみたいと思います。
 

* 体の重心を意識する

 
体の重心とは、下腹部の中央、おへそから5センチ位下で、お腹と背骨の中間くらいの位置、いわゆる「丹田」の位置にあります。
 
体の重心を意識するとは、様々な動作を行う際にこの丹田を意識するということです。
 
例えば、椅子から立ち上がるときもまずお腹が立ち上がり、ほかの部分もそれについていく感じになります。
 
丹田を意識することで、心が静まり、集中力が増し、意識の範囲が広がると本書は言います。
 

* 全てを吸収するように人の話を聴く

 
誰かと話す時、相手の話をスポンジのように全てを吸収するつもりで、静かな心で耳を傾ける。相手の声の調子のかすかな変化にも注意を向け、言葉に現れない何かーー言葉と裏腹の本音、こだわり、悲しみや怒りなどの感情ーーなど感じ取る。
 
何か意見を言いたくなったりしても、そういう思考は傍において、ただただ相手の話に集中する。
 
こうして、日々のともすればくだらない雑談の時間がマインドフルネスの練習に変わるわけです。一生懸命話を聞いてあげることで、相手にも喜ばれて、まさに一石二鳥というべきでしょう。
 

* 「善行」をする

 
毎日、何かしら「良いこと」「親切なこと」「人のためになる事」「助けになる事」をこっそり行なう。
 
別に大げさなことをする必要はなくて、例えば、道においているゴミを拾ってみたり、休憩室のテーブルをさっと拭いてみたりする。
 
また、通りすがりの知らない人のために「あなたが不安から解放されますように」「あなたの日々が穏やかでありますように」と唱える善行をしてみる。
 
「幸せホルモン」として最近注目を集めるオキシトシンというホルモンは、善行によっても多量に分泌すると言われています。
 
まさに正しい意味での「情けは人の為ならず」ということです。
 
これが彼らの役にたつかどうかは知りませんが、私の役にたつのは確かです。これをやった日は全てが穏やかに運ぶのです
 
(本書Kindle位置1095より引用)

 

 

* おわりに

 
いかがでしょうか?本書にはその他、「利き手でない方の手を使う」「つなぎ言葉を使わない」「優しい手で触れる」「不安を意識する」「光を意識する」など、今すぐに日常動作に取り入れていけるマインドフルネスの練習がたくさん載っています。
 
本書に書かれている手順どおりやるのが一番良いのかもしれないが、とりあえずピンときたものからやってみるというのも多分ありだと思います。
 
「脚下照顧」という禅語がありますが、過去に囚われるのでもなく未来を憂うのでもなく、まずこの他ならぬ「今」を充実させる。そして、この「今」という瞬間の連続こそが人生を形作っているわけです。日々、何気ない「当たり前」を丁寧に積み重ねて行きたいものです。
 
あなたの日常の多くの瞬間がきっと輝きに満ちたものでありますように。ではでは。