かぐらかのん

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リコピン吸収率を上げるかしこいトマトの味わい方

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トマトの日本デビューはあんまりパッとしないものでした。日本には寛文年間頃に長崎に伝えられたとされますが、当時は日本人の味覚にあまり合わず、もっぱら観賞用だったそうです。
 
トマトが食卓に普及するきっかけは、カゴメ創業者である蟹江一太郎氏が大量に売れ残ったトマトを処分するための苦肉の策で生み出したトマトソース。
 
ちなみにカゴメの社名は陸軍を連想する六芒星を商標としてなんとか使う為に考案した言い訳である「収穫時の籠を編んだ目(籠目)」に由来するとか。
 
さて。トマトといえばリコピンですね。リコピンとはカロテノイドという色素の一つで、ビタミンEの100倍以上の抗酸化作用で知られ、生活習慣病予防やアンチエイジングとの関連で近年注目を集めています。
 
ただ、トマトを生のまま食べても、実はリコピン吸収率からいえばいまいち効率が悪いんですよ。
 
まず、リコピンは食物繊維に取り囲まれており、食物繊維はヒトの消化酵素では分解することができません。
 
つまり生のまま食べても、吸収しきれないままほとんどが便として吸収されることなく排出されてしまいます。
 
また、トマト中のリコピンは、大部分がトランス体として存在していますが、人間の身体の中では半分以上がシス体として存在しており、トランス体よりもシス体の方が吸収され易いと言われています。
 
せっかく意識高く日々の食事に一生懸命トマトを取り入れたりしているのであれば、これはかなり勿体無いですね。
 
そこで今回は、ちょっとした工夫でより効果的にリコピン吸収率を上げるトマトの味わい方を紹介してみます。
 

* 加熱する

 
トマトは加熱することでリコピン吸収率が上がることがわかっています。これは、加熱によりトマトの細胞が壊されてリコピンが細胞の外に取り出され、さらにリコピンの構造がトランス体からシス体に変化することによるためと考えられます。
 
 

* オリーブオイルを加えてみる

 
リコピン脂溶性のため、油と一緒に食べると体内への吸収率が上がります。
 
特におすすめなのはオリーブオイル。ラットを用いた試験ですが、オリーブオイルは他のオイルに比べてリコピンのシス異性化をより促進する傾向にあることがわかっています。
 
そういう意味では、イタリア料理というのはリコピン摂取の点から考えると、極めて利にかなっていると言えるでしょう。
 

* 牛乳と一緒に摂る

 
意外なところでは牛乳とも相性がいいんですよ。
 
トマトジュースなどのトマトジュースだけを摂取した場合と、野菜飲料と牛乳を摂取した場合、それぞれのカイロミクロン(血液中の脂質輸送体)中のリコピン濃度を測定したところ、牛乳と同時に飲用したグループは、トマトジュースだけを摂取した比べ、カイロミクロン中のリコピン濃度は約3倍に上昇した研究報告があります。
 

 * 朝に摂る

 
体内での栄養成分の消化吸収や代謝には サーカディアンリズム(1日のリズム)が存在します。そのため、同じ栄養成分でも摂取する時間帯によってその吸収効率が異なってきます。
 
リコピン吸収率から言えば、トマトは朝に摂るのがベストのようです。
 
 

* おわりに

 
いかがでしょうか?まあ、あんまり難しく考えずに、朝、オリーブオイルを少し加えたトマトジュースを牛乳をかけたシリアルと一緒に食べるところから始めてみるのもいいかもですね。
 
あと、あの酸味がどうも苦手だという方は、トマト鍋もおすすめです。ぜひ試してみて下さい( ^ω^ )
 

 
おいしくかしこく、もっとトマトが好きになれますように。 ではではまたまた!かがみでした\(^o^)/