かぐらかのん

心理学関連書籍、ビジネス書、文芸書の書評などを書いていきます。

「ていねいに生きること」と「生産性」

 
 
「置かれた場所で咲きなさい」著者である渡辺和子シスターはその著書の中で折に触れて「ていねいに生きること」の大切さを強調されています。
 
「あたりまえのこと」、時には「つまらないこと」を、心をこめて実行することの大切さが、最近、忘れられています。そして、この実行こそが、人を美しくするのです。
 
(渡辺和子「面倒だから、しよう」より/Kndle位置No.197)
「神さまの教えとは何ですか」と問われたとしたら、「当たり前のことを、心をこめて実行すること。与えられる一つひとつのいのちも、ものも両手でいただくこと」と答えることでしょう。
 
(渡辺和子「面倒だから、しよう」より/Kndle位置No.214)

 

これは直接的には環境の奴隷ではなく環境の主人として主体的に生きる「人格」としての人のあり方を説いたものですが、この考え方を「生産性」を高めるという観点から、勉強や仕事の基本動作に「応用」してみるのも良いのかもしれません。
 
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例えば、我々は仕事や勉強の時、ともすれば、猫背になったり、足を組んだりと楽な姿勢になりがちです。 けれども、ここで「正しい姿勢」を意識して、勉強や仕事に「ていねいに」取り組んだとしたらどうなるのでしょうか?
 
人の集中力を生み出す源泉は脳の前頭葉にあると言われます。 前頭葉のエネルギー源となるのはブドウ糖と酸素であり、これはいうまでもなく血液によって運ばれます。
 
健常人の脳にはだいたい常時、全血液の15%が集まっているそうですが、猫背になると胸の当たりが圧迫され、自然と呼吸が浅くなります。 そうなると血液の循環が落ち、新鮮な酸素の供給が滞ってしまい、結果、集中力が低下する。
 
そこで姿勢を正す事で、横隔膜が正常に働き呼吸が深くなり、さらに血液が循環しやすくなって、結果、高い集中力を維持できるということです。
 
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こういう俗物的な思考はあるいは「邪道」なのかもしれません。ですが、どんな素晴らしい啓発書を読んでも、「けど現実的に・・・」などと言い、1ミリも実践しないのでは何も身にはならないわけです。なので、俗物であれ何であれ、とりあえず自分が入りやすい切り口から入ってみるというのもありではないでしょうか。
 
「あなたたちには、脱いだ履物を揃える自由があります」
 
私は、これほど、わかりやすい自由の説明を、それまで聞いたことがありませんでした。
 
(渡辺和子「幸せのありか」より/Kndle位置No.234)

 

そういうわけで、長時間デスクワークなどしていると自然と腰が曲がってきて、つい足を組みたくなってしまう時には「姿勢を正す自由」と唱えて、机に向かい直してみるのもいいでしょう。
 
そうすれば生産性も上がるだけでなく、きっと、その姿は人として凛として、美しく見えると思います。日々の基本動作は面倒だからこそ、ていねいにやっていきたいものです。