かぐらかのん

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【書評】「カードキャプターさくら・クリアカード編(CLAMP)」1〜3巻

およそ20年前、多くの年端もいかない女の子達、そして「大きなお友達」を、尋常でない熱狂の渦中に叩き込み、そして彼ら彼女らのその後の人生に多大な影響を与えたと言われる作品がありました。そうです、CLAMPさんの不世出の名作「カードキャプターさくら」です。
 
そのアニメ化にあたってはNHKアニメ史上で最高制作費が投入され、地上波放送時には裏番組となったあの「ちびまる子ちゃん」を視聴率1桁にまで急落させた件は未だ語り草となっているわけですが、その「さくら」の正統な続編となる「クリアカード編」が去年からスタートしているのはご存知でしょうか?
 
物語は前作の最終回、つまりさくらちゃんと小狼が再開したところから再びスタートします。こうなるともう「続編」というより「連載再開」といった方が良いでしょうね。そして今回も掲載誌は前作同様「なかよし」というのがなかなか凄すぎます。
 
だって、これだけ成功したコンテンツですから、講談社であれば「ヤングマガジン」とか「モーニング」など、そのあたりの青年誌で連載したほうがどう考えてもビジネス的には確実な収益が見込まれるでしょう?けれどもあえてそうはしなかった。
 
CLAMPさんは過去の名声に胡座をかかず、その多くがさくらのさの字も知らないであろう現代の子どもたちに向けた一新連載作品として、純粋に「読まれるか、読まれないか」という作品の品質だけを賭けて真っ向から挑むという選択をとったわけです。なんというか、やはりこれはクリエイターとしてのプライドと自信がなせる業というべきなんでしょうか。
 
そういうわけで「カードキャプターさくら・クリアカード編」。そのざっくりとしたあらすじは次の通りです。
 
友枝中学校に進学したさくら。中学校生活に期待を膨らませるその矢先、フードをかぶった謎の人物と対峙する奇妙な夢を見る。目を覚ますと新たな封印の鍵が手の中に。そしてさくらカードは透明なカードに変化し効果を失っていた。
 
以後、立て続けに魔法のような不思議な現象が起こり出す。さくらは新たな「夢の杖」を使い、現象をクリアカードという形に「固着(セキュア)」していくことになる・・・
 
 
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作画については前作は繊細な感じでしたが、今作はわりとふんわりしています。絵柄の変化については好みがあるでしょうけど、少なくとも「ツバサ」「XXXHOLiC」を経たことで筆致にはより深みが出ているように思えます。そして表情はより豊かで可愛らしく、動きはよりパワフルに進化したという印象です。
 
透明になったさくらカードとクリアカードは何か相関性があるのでしょうか?何か知ってそうなエリオルと小狼、そして桃矢。いまだに謎めいたフードの人物。そしてこのタイミングで転校してきた少女・・・
 
最新3巻では、新キャラの詩之本秋穂ちゃんの周辺がより丁寧に描かれていきます。名前からしてさくらちゃんと秋穂ちゃんは鏡像的な位置関係に立っているんでしょうか?あと、中学に入ってからは封印していたらしいさくらちゃんの代名詞だったアレも復活。そして今度の「羽」は前作以上に可愛らしい。
 
物語の表層では華々しいバトルや煌びやかな日常が繰り広げられなかなか賑やかしいですが、その深層には次々と謎が堆積し続け、どろっとした不気味な静寂が横たわっています。
 
この鮮やかなコントラストが読者を萌え狂う豚にも、そして思考の迷路を彷徨う哲学者にもさせるのでしょう。来年にはアニメ化も控えていますし、今後の展開に大いに期待したいところです。