かぐらかのん

心理学関連書籍、ビジネス書、文芸書の書評などを書いていきます。

文芸

「AIR」における日本的「あわれ」の感性

「AIR」というノベルゲームはご存知でしょうか?ゲームブランドKeyより2000年に発売され、このジャンルとしては異例の売上本数を記録した「泣きゲー」の代名詞です。 今日は本作のヒロイン、神尾観鈴ちゃんの命日なので少しAIRの事を書いておこうと思います…

ポストモダンは物語の夢を見るか?

ポストモダンというのは結局のところ、何なのでしょうか?久しぶりに「動物化するポストモダン」を読み返していました。本書は「オタク」と呼ばれるサブカル系消費者の行動様式から「ポストモダン的主体」とは何かを考察していきます。 動物化するポストモダ…

「羊と鋼の森(宮下奈都)」の感想。「生きられなかった半面」を生きていくということ。

調律はまず49番目のラの音を440ヘルツに合わせるところから始まります。 そして、それを基準として12の音階を88の鍵盤に割り振っていく。 ただ、調律が普通の家電製品のメンテナンスとは明確に違うのは顧客の求める「理想の音」というのが顧客の数だけ無数に…

「批評理論入門(廣野由美子)」を読む。批評という「〈他者〉の物語」の中に「〈私〉の物語」を見出す営み。

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書) 作者: 廣野由美子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/07/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る * 「読む」ということ、「語る」ということ。 小説の読み方には、文字通り…

「カードキャプターさくら(CLAMP)」を読む。いろいろな「好き」の共生。「愛されたい」と「愛している」の違い。

「カードキャプターさくら」という作品はご存知でしょうか?1996年から2000年まで「なかよし」に連載され、本来の読者層である小中学生女子のみならず幅広い層を熱狂させ、その一世を風靡。その後も人気は全く衰える事が無いどころか、年を追うごとに着実に…

「君の膵臓をたべたい(住野よる)」を読む。生の欲望と出会い損ないの物語。

原作が出た時、満開の桜の表紙と猟奇的なタイトルの不思議な組みあわせに少し心惹かれましたが、その時は結局読まず終い。ただずっと気にはなっていた作品でしたので、今夏に公開された映画をきっかけに原作の方も手を出してみました。 12年後の【僕】が物語…

「カードキャプターさくら・クリアカード編(CLAMP)」1〜3巻を読む。華々しいバトル。煌びやかな日常。そして、堆積していく謎。

およそ20年前、多くの年端もいかない女の子達、そして「大きなお友達」を、尋常でない熱狂の渦中に叩き込み、そして彼ら彼女らのその後の人生に多大な影響を与えたと言われる作品がありました。そうです、CLAMPさんの不世出の名作「カードキャプターさくら」…