かぐらかのん

本や映画の感想などを書き記していくブログです。

「アドラー流一瞬で心をひらく聴き方(岩井俊憲)」を読む。傾聴×勇気付けという組み合わせ。

 
アドラー理論と傾聴技法を架橋しようという試みが感じられる1冊。 前半4分の1位がアドラー理論の簡単な紹介であとは傾聴技法の解説。
 
要点の箇条書きスタイルなので、あっという間に読めます。
 
一般的な傾聴技法の他に、アドラー心理学独自の「勇気づけ」や「課題の分離」という視点を取り入れています。 ビジネスシーンでアドラー理論を活用したい向けの実用書という感じなので、心理療法の深淵を極めて悩める人の力になりたいという人は、どうせ知っているコトばかりでしょうから別に読まなくてもいいと思います。
 
アドラーの個人心理学の理論の深奥についてはこの本だけ読んでもわからないと思うので『嫌われる勇気』なり今度出る続刊の『幸せになる勇気』なり別途、読まれる方がよろしいんでしょう。
 
リフレクション中心のロジャーズ系の傾聴本を読んで物足りなさを感じている人には、得る物があるかもしれないですね。傾聴=ロジャーズの来談者中心療法(PCA)というのが一般的なイメージなんでしょうけど、PCAを本当に使いこなせるのはロジャーズ博士ご本人ただ一人といっても過言はないでしょう。
 
あれを我々凡人がそのまま金貨玉条的に真似してしまうと、ただの「オウム返しをするだけの人」になってしまいますからね。
 
要するに、聴き手の適度な自己開示は必要なんですよ。リフレクションで話し手の心の深度を下げたはいいが、さてここからどうするかといった局面で「勇気づけ」という技法はかなり強力な武器になるかと思うんですよね。

大根おろしの栄養学

f:id:kagurakanon:20170530204319j:plain

大根おろしは小さい頃の「にがい!」っていう記憶を引き摺っていて、それからずっと食わず嫌いだったんですけど、ポン酢と合わせてみたらすごい美味しいことに、今更気づきました。
 
焼き魚や豚しゃぶとすごく合うし、箸休めにもちょうどいいですし。大根いっぺんに好きになりました。
 
大根は生食がベスト?
 
実は大根は薬効を考えたら生で食べるのが一番だそうです。大根といえば消化酵素が豊富なのが知らていますが、これは加熱によって大幅に減少してしまうとのこと。
 
ちなみに大根に含まれる消化酵素はこんな感じ。大根おろしダイエットとかかつて流行りましたよね。
 
 
・ジアスターゼ(アミラーゼ)・・・唾液の中にも含まれているでんぷんを分解する消化酵素。ごはんや麺類などを食べた際の際の胃もたれや消化不良を改善。
 
・プロテアーゼ・・・・たんぱく質分解酵素。大根の他にはヨーグルトや納豆などの発酵食品にも多く含まれている。下処理として大根おろしやヨーグルトに肉をつけておくと肉が柔らかくなるのはプロテアーゼが肉のたんぱく質を分解しているため。
 
・リパーゼ・・・脂肪を分解してくれる酵素。天ぷらやから揚げなどと一緒に大根おろしを摂ると、さっぱりとたべることができて胸やけや胃もたれを軽減される。
 
 
また、甘い大根おろしを作りたい時は真ん中、辛い大根おろしを作りたい時は根っこ側、ともよく言われますが、これはイソチオシアネートという辛み味成分に関係あるようです。
 
イソチオシアネートには殺菌・抗菌作用の他にも、抗酸化作用、代謝作用がありますが、一説によればこれはもともと大根の防御システムとして備わったものだとか。
 
害虫が大根に噛みつくと、その部分にイソチオシアネートが生成される。害虫はこれを嫌がるので、結果、大根は害虫に丸かじりされないで済む・・・ということだそう。
 
なのでイソチオシアネートは大根の生長にとって重要な根の部分でより多く生成され、根の方をおろすと辛い、というわけです。
 
大根ドレッシング
 
シンプルに食べるのもいいですけど、もう少しアレンジしてドレッシングとして使ってみるのもいいですね。
 
基本ベースは醤油:酢:ごま油:砂糖が1:1:1:0.5の割合。これをお好みに合わせて調整していく感じ。ニンニクチューブとか加えてもいいかも。
 

f:id:kagurakanon:20170605204509j:plain

 とにかく大根まじやばい。というかむしろ大根育てたい。今年の冬は本気で育ててみようか。

 

 

 

「幸せになる勇気(岸見一郎・古賀史健)」を読む。運命の人などいないのか、という問題。

 
「結論から申し上げますと、アドラーの思想はペテンです。とんだペテンです。いや、それどころか、害悪をもたらす危険思想と言わざるをえません。(本文より)」
 
現実に打ちひしがれ3年ぶりに「哲人」の書斎を訪れる「青年」。物騒な雰囲気の中で幕が上がる劇薬の哲学問答第二幕です。 前作『嫌われる勇気』についてはいまさら云々するまでもないでしょう。
 
本書は前作の補完という位置付けなので、前作の方から先に読んでおくべきなのは言うまでもないです。逆に『嫌われる勇気』を読んだ後でアドラー心理学の関連本に色々と手を出した人が本書を読むと、知識的にはわりと知っていることばかりになってしまうので、哲学的(?)なインパクトは当然、前作ほどは無い、ということになります。
 
むしろ、それらにいちいち驚愕、憤激する「青年」の初々しさが微笑ましく見えるでしょう。 けど、既存知識もこういう対話の形で読むと別の発見があるのはもちろんです。前半で特筆すべきは問題行動における5段階目的論の詳細な解説。知っている人にとっても良い復習になります。
 
後半はライフタスク(人生の課題)への深い考察が展開されています。終盤の「愛のタスク」論に関しては、本書の中でも特に賛否が分かれるところでしょう。 「『運命の人』などいない」。そう平然と断じ去る「哲人」の「忌々しい洞察」には「青年」でなくとも素朴な反感を覚える人も多いと思います。
 
勿論、「運命の人」の存在なんて科学的に証明しようが無いですけどね。ですけど、この言葉はそういうあたりまえな、シニカルな意味合いでは無いことは前作における「哲人」の「人生に特に意味など無い」という言葉の意味と合わせて考えると自ずと理解できるでしょう。
 
アドラー心理学決定論を退けて主体論を打ち出していますから、「運命」など最初から決まっていない、自らの決断で選びとるものだと、そういうことなんだと思います。
 
ちょっと話が逸れましたが、とにかく既知のアドラー関連の類書の中で、「愛のタスク」についてここまで深く切り込んだ洞察は寡聞にして知りません。もっともこのあたりはアドラーよりもエーリッヒ・フロムからの引用の方が多く、わりと岸見先生の独自性が出ているのかもしれないですね。
 
最後は割と淡々とした終わり方でしたが、すっきりした読後感はありました。いちおう前向きな感じで終わってはますが、「青年」のあまりの拗らせぶりにとうとう「哲人」が愛想を尽かしたという穿った見方もできなくはないですね(笑)

カゴメの「ちいさなももこ」×「トマトの土」でミニトマト栽培

f:id:kagurakanon:20170517211948j:image
 
トマトにはビタミンEの100倍といわれる抗酸化力を持つリコピンが豊富に含まれていて、アンチエイジング的には毎日のようにコンスタントに食べたいものです。なので、今年は自分で育てることにしました。
 
苗を買いに行ったらスーパーでよく見かけるカゴメミニトマト「小さなももこ」の苗が出回っていたので、これまたカゴメの「トマトの土」と一緒に購入。最近のカゴメは「トマト・フーデニング(フード+ガーデニング)」っていって園芸事業にも積極的らしいですね。 
 

 

プロトリーフ KAGOME そのまま育てるかる?いトマトの土 15L

プロトリーフ KAGOME そのまま育てるかる?いトマトの土 15L

 

 

「トマトの土」の色はまさにトマトソースみたいな赤。20L入っているのにすごい軽いんですよ。マクラかっていうくらい軽い。ココヤシの実から作られているらしくて、水捌けすごい良さそうです。
 
トマトは少し乾燥気味の土壌が好きみたいなので、水やりは心なし控え目なのがいいみたいですね(ただし、これは一般的な保水性のある土の話で、「トマトの土」の場合ははすごい水はけが良いので普通に毎日、水をやらないと萎れてしまいます)。
 
トマト栽培特有のキーワードが「第一花房」。ともかく第一花房をきちんと着果させることができるかどうかがその後の収穫量を左右されるそう。
 
あと、トマトは原則1本仕立てなので、わき芽かきは重要。放っておいたら主枝と伸びたわき芽との区別がつかなくなってしまいますから、伸びてきたわき芽は速やかに摘んでしまうのがベター。折角伸びてきたものを摘むのは何となくもったいないですけどね(´・ω・`)
 
せっかく良い苗と土を買ったからには、大量収穫のためにもこまめにお世話していきたいですね。
 
追記:その後のももこ
 

f:id:kagurakanon:20170511165654j:plain

 

記念すべき一番花。なかなか可憐です。第一果房の着果は重要なので、一応、枝を揺すって人工授粉。トマトトーンというものもあるらしいです。
 

f:id:kagurakanon:20170524115526j:plain

 

そういうわけで、第一果房に無事着果。そろそろ追肥のタイミングですね。
 

f:id:kagurakanon:20170526103234j:plain

 
トマト栽培のポイントの一つの脇芽かき。この主枝と側枝の間から出てきているやつが脇芽。
 
基本1本仕立てなので脇芽はすべて除去していきます。
 
ヘタに放置して大きくなると、なんか情が移ってしまいそうなので、ちょこっと出た時点でさっさと除去することにしてます。
 
支柱の高さ(170㎝)を越えたら摘芯します。よくトマトは第四花房か第五花房で摘芯、と言われるのは大玉の場合です。
 
 
 

ピーマンを越冬させてみた!

f:id:kagurakanon:20170510212511j:image
 
 
一年草と見せかけて本当は多年草なピーマン。最低生存温度の10度を下回らなければ越冬できるそうなので、12〜4月の間は室内に入れて様子を見ていたところ、期待に応えてきっちり冬を越えてくれました!
 
しかも、4月に入ってから新芽がどんどん出てきて、もう何気に花が付いています。
 
f:id:kagurakanon:20170510212529j:image
 
コツも何も、特別なことは何一つしていなくて。10度以上の環境を維持して、普通に水をちゃんと毎日あげて、日中は窓際に出してきちんと日光に当てただけ。
 
ただ、主枝が横にかなり伸びすぎているというのはあったので、こんな感じで切り戻ししておけばよかったかも。
 
 
そういうわけで、園芸初心者にピーマンはオススメです!去年はほぼ完全放任で40個くらい実がなりました。加湿も嫌い乾燥も苦手っていう難しいイメージがあるけど、実際はそこまで神経質にならなくていい気がします。
 
ただ、雨で花が落ちてしまうので、軒下で育てるのは鉄則。あと本当はきちんとマスキングして、1番花の下はきっちり整枝して3本仕立てくらいで育てたほうが栄養が分散しないから、きっといいんでしょうね。いや、でもほんと素晴らしい生命力です♪( ´▽`)
 
 
 

「嫌われる勇気(岸見一郎・古賀史健)」を読む。「課題の分離」から「共同体感覚」へ。

 
 
 
 
フロイトユングと並び称され、欧米で絶大な支持をもつと言われるアドラーの個人心理学をソクラテスメソッドでわかりやすく説くというコンセプトで書かれてベストセラーとなった『嫌われる勇気』。
 
「哲人」が語る「トラウマを否定する」「承認欲求も否定する」「叱ってもいけないが褒めてもいけない」「計画的な人生など不可能」「不幸な人は自分で不幸を選んでいるだけ」などといった「アドラーの教え」に対し「青年」がサディストだの危険思想だの悪魔的教唆だのと、いちいち憤激するという三文芝居がループする展開が普通に読み物として面白い。
 
先の哲人の言葉にあるようにアドラーの主張は一見、常識へのアンチテーゼのようにも見えますが、現在の認知行動療法などアドラー心理学をあたかもマニュアル化したものではないのかと思うほど、心理療法的にはむしろ恐ろしく普遍性に満ちているといえるでしょう。
 
なんでこの本が出るまで日本でアドラーがあまり知られていなかったのか不思議で仕方がないくらいに。フロイトと袂を分かち自由精神分析協会を立ち上げたところから始まった個人心理学ですが、現在の精神分析の主流派がフロイト的欲動論から徐々に離れて、アドラーの主張とどんどん親和性を帯びてきているという潮流もある意味うなずけます。
 
アドラーに言わせれば、「悩み」は過去のトラウマなどといった「原因」から生じるのではなく、人生の本当の課題に直面したくないという「目的」が作り出している「嘘」であり、その典型が「背が低いから運動ができない」とか「顔が悪いから異性にもてない」などといった劣等コンプレックスであるという。
 
このような「だから私は何々ができない」という「言い訳」があれば、ひとまず自分の心を守ることができるからです。このような思考は認知行動療法でいうとところのスキーマあるいは自動思考の歪みに相当するものであり、その矯正のための方法論は現在数多く開発されていますが、これらは本質的にはアドラーのいう「ライフスタイルの転換」の変奏曲であって、要は本質的には同じものを手を替え品を替え「何とか療法」としてパッケージし直して出しているわけです。
 
アドラー自身が提示する処方はまず「課題の分離」であり、これは『嫌われる勇気』という書名にも繋がってきます。そしてその究極的な到達点は「共同体感覚」であるとされます。
 
ここでいう共同体という概念は、学校、職場、地域社会のみならず、国家や人類などを包括した全てであり、時間軸においては過去から未来までも含まれ、さらには動植物や無生物まで含まれるという壮大なものです。これはアドラー心理学の鍵概念であり本書が言うように賛否両論あるなかなか掴み所のない概念ですが、多分、アルティメットまどかちゃんみたいな境地なんだと思うんですよね?共同体感覚って言葉を見た時に、なんかそういうまどかちゃんのイメージが浮かんで。アドラーの説く「幸せの定義」からすれば、イメージとしてはあながち間違ってはいない気がします。

乳酸菌が生きたまま腸に届くという意味

f:id:kagurakanon:20170505223554j:image
 

以前の記事で書いた通り、腸内フローラ(腸内細菌叢)っていうのは腸内における善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスのことで、理想的なのはだいたい善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割っていう住み分けになります。

 
腸内フローラの改善は単に「お腹の調子を整える」だけにとどまらず、風邪やインフルエンザといった身近なところから、血糖、血圧、がん細胞、さらにはセロトニンメラトニン、女性ホルモンに至る様々なところに関わっていると言われており、腸内フローラを無視したヘルスケアなんてものはあり得ないレベル。
 
そういうわけで、ヨーグルト×グラノーラでなんちゃって腸活を実践中なのですΣ(゚∀゚ノ)ノ
 
一応は乳酸菌と水溶性食物繊維の組み合わせなので、理にはかなっているはず・・・プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせるというアレでして、要するに外部乳酸菌を取り入れつつ、常在善玉菌もがっつり育てる目論見?ということです。
 
生きたまま腸に届いた方がいいの?
 
ヨーグルトといえば「乳酸菌を生きたまま腸に届ける」こそが正義であって、空腹時のヨーグルトは、乳酸菌が胃酸で死滅してしまうのでヨーグルトは食後に食べましょうとか、あるいは日にちが経つと乳酸菌が死んじゃうのでヨーグルトは買ったら早めに食べましょうなどとよく言われますが、死んだ菌に意味がないわけではないんですよね。
 
生きた乳酸菌は悪玉菌を駆逐する形で腸内環境を改善するのに対して、死んだ菌は常在善玉菌のエサになる形で腸内環境の改善する。また、腸管免疫の活性化に関しては死んだ菌の方が優れた部分があるようです。
 
こういった観点から最初から殺してある殺菌乳酸菌を含む菌体成分を大量凝縮して腸内に送り込むアプローチをバイオジェニックスと言います。食べるマスクなんかがそうですね。
 
たしかに、もちろん乳酸菌は生きて腸まで届いた方がいい、悪玉菌の抑制の他、便秘の改善、アレルギー、花粉症、アトピー性皮膚炎の緩和など数々のメリットがありますから。
 
けど、本当にピンポイントで何かを改善する目的じゃなかったら、あんまり神経質にならなくてもいいのかなあ、という気はします。
 
食物繊維は不溶性と水溶性の違いに注意
 
あと水溶性食物繊維も常在善玉菌のエサになります。食物繊維は不溶性と水溶性があり、両者の理想的なバランスは2:1。不溶性食物繊維も便の嵩増しや腸内の蠕動運動を促進するので重要なんですが、善玉菌のエサにはなるのはあくまで基本的には水溶性食物繊維です。
 
 
この点グラノーラに含まれている大麦は水溶性食物繊維が豊富なので、ヨーグルトのパートナーとしてはうってつけだと思うんですよね。